(第2671話) 髪を寄付 - 寺さんの【伝えたい話?残したい話】

 小学校六年生の長女がヘアドネーションをした。病気で髪がなくなってしまった子どもに人毛のかつらを贈るための活動の一環で、小学校一年生のときにテレビでヘアドネーションを知ってから「病気の子の役に立ちたい」と自らの髪を伸ばしてきた。 髪を伸ばしているときは洗髪にも時間がかかって大変そうだったが、娘の意志は固かった。長さ五十センチ以上の髪が不足していると聞き、六年生の夏まで伸ばすことにした。 そして七月。腰の下まで伸びた娘の髪を提供する前夜、私は「この髪で誰かが笑顔になればいいな」と思い、娘の髪をいつもより丁寧に洗って乾かした。 ヘアドネーションに賛同している美容室で娘は長さ五十三センチの髪を切ってもらった。娘は鏡を見ながらとても満足そうな笑顔を見せたことが印象的だった。娘は短髪もよく似合うと感じた。それ以上に、娘がたくましく映った。(8月27日付け中日新聞)

 三重県いなべ市の主婦・岡本さん(44)の投稿文です。髪の寄付について話題にするのは3度目であると思う。第1回目は2016年6月8日第2282話、第2回目は2017年6月23日第2463話である。第1回目は自分自身の話、第2回目は子供にさせた話、今回は子供が自発的にした話である。ここに優劣はないが、それでも小学1年生の子が自発的に始め、それも6年生まで丸っと5年、53センチである。腰の下まで伸びた髪では、洗うのも活動も大変だったろう。こんな小学生がいることにびっくりし、感嘆する。丸5年間、この意思はどこから生じたろうか。本当に子供でも凄い子は凄い。岡本さんが娘さんをたくましく思われたのは当然であろう。しかし、これは何らかの親御さんの影響もあると思う。この親があってこの子があるのである。子は親の後ろ姿をみて育つという。